篠田桃江 夜のいろ

ここでは、「篠田桃江 夜のいろ」と題し、岐阜現代美術館内で開催される展覧会を紹介します。

墨と和紙が織りなすモノクロの表現

墨で自由に描く「水墨抽象画」を確立し、真の美を探求し続ける女流美術家、篠田桃江氏。墨とともに100年を歩み、自伝「桃江 私というひとり」では、「墨いろが正気を帯びて、紙面にただよい、紙背に透るようなときに、夜の闇のけはいは似ている」と記されています。

桃江の作品と言えば、ほぼ直線的な独特の柔らかいカーブが魅力であり、表に出ない微妙な何かを秘めています。その一本の線からは意志の強さが感じさせられるとともに、潜在的というより内向的な何かを一本の線で表現しています。その神秘に目の当たりにするたびに、紛争や騒動に惑わされず、のどかかつ平和的な世界に引き込まれそうになります。